「今期は赤字だけど、補助金って申請できるのだろうか?」
これは中小企業経営者・個人事業主の方から、非常によくいただく質問です。
結論から言うと、
赤字でも補助金は申請できます。
しかも、制度によっては「赤字であること」が不利にならないケースもあります。
この記事では、
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赤字でも申請できる理由
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審査で見られている本当のポイント
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赤字事業者が評価されやすくなる考え方
を、実務目線で分かりやすく解説します。
1|結論:赤字=補助金NGではありません
補助金の審査で重視されるのは、
「過去の成績」よりも「これからどう良くするか」 です。
多くの補助金制度は、
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経営課題の解決
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生産性の向上
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売上・付加価値の改善
を目的としています。
そのため、
赤字=改善余地がある=補助金の趣旨に合っている
と判断されることも珍しくありません。
2|なぜ赤字でも申請できるのか?
補助金は「ご褒美」ではなく、
経営改善のための投資支援です。
審査員が見ているのは、主に次の3点です。
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なぜ赤字になっているのか(原因分析)
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補助事業で何を改善するのか
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本当に黒字化につながる計画か
つまり、
赤字の理由を説明できないことの方が問題なのです。
3|赤字事業者が不利になるケース
赤字でも申請は可能ですが、
次のような場合は評価が下がりやすくなります。
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赤字の原因が書かれていない
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数値計画が根拠のない楽観予測
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補助金がなくても同じ事業内容
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事業の継続性が見えない
特に多いのが、
「赤字を隠そうとして説明が薄くなるケース」です。
これは逆効果になります。
4|赤字だからこそ評価される書き方のポイント
赤字事業者が評価される事業計画には共通点があります。
✔ 赤字の原因を正直に整理している
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人手不足による外注費増
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設備の老朽化による非効率
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広告投資不足による集客停滞
✔ 補助金で“原因をピンポイントで解消”している
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古い設備 → 新設備で作業時間短縮
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人手依存 → システム化で省力化
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認知不足 → Web・SNSで販路拡大
✔ 数字が現実的
急激な売上増ではなく、
「なぜその数字になるのか」が説明できる計画。
5|赤字事業者に向いている補助金の特徴
以下のタイプの補助金は、
赤字事業者でも採択されやすい傾向があります。
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小規模事業者持続化補助金
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省力化・業務効率化系補助金
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新事業・新サービス開発系
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物価高騰・賃上げ対応型
特に「生産性向上」がテーマの補助金は、
現状が厳しい事業者ほどストーリーを描きやすいです。
6|赤字のままでも“これはやってはいけない”注意点
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借入が多すぎる状態で無理な設備投資
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補助金ありきの事業計画
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実現性のない急成長シナリオ
補助金はあくまで「後押し」です。
経営を悪化させる使い方は、本末転倒になります。
7|まとめ:赤字は“不利”ではなく“説明が重要”
赤字であること自体は、補助金申請において問題ではありません。
重要なのは、
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なぜ赤字なのか
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何を改善するのか
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補助金でどう変わるのか
