はじめに
中小企業や個人事業主にとって「補助金」は、新しい設備導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)、販路開拓を進めるうえで大きな追い風になります。
しかし、補助金制度は種類が多く、「どの補助金が自社に合うのか分からない」という声をよく聞きます。
特に人気の高い 「IT導入補助金」「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」 は、それぞれ対象や条件が大きく異なるため、正しい理解が必要です。
本記事では、この3つの制度を 補助率・上限額・対象経費・向いている企業タイプ という観点から比較し、どの補助金を選ぶべきかを分かりやすく解説します。
補助金制度を比較する前に知っておきたい基本
補助金は「ただでもらえるお金」ではなく、いくつかの共通ルールがあります。
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後払い方式:まずは自己資金で全額を支払い、実績報告後に補助金が入金される仕組みです。
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審査制:申請すれば必ず採択されるわけではなく、事業計画の内容や効果が審査されます。
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使途制限:対象となる経費は制度ごとに細かく定められており、対象外の支出は認められません。
このため「補助率が高いから有利」という単純な判断ではなく、自社の目的に合った補助金を選ぶこと が成功のカギとなります。
3大補助金の制度比較表
以下の表に主要な違いを整理しました。
補助金名 |
補助率 |
上限額 |
主な対象経費 |
特徴 |
---|---|---|---|---|
IT導入補助金 |
1/2~3/4 |
350万円程度(類型により異なる) |
ソフトウェア導入、クラウド利用料、HP制作 |
中小企業のデジタル化を推進 |
ものづくり補助金 |
1/2~2/3 |
最大1,250万円 |
機械装置導入、システム開発、設備投資 |
製造業や建設業などの設備投資型に強い |
持続化補助金 |
2/3 |
50万~200万円 |
広告宣伝費、展示会出展、チラシ、HP制作 |
小規模事業者の販路開拓に特化 |
👉 ポイントは、IT導入=ソフト中心/ものづくり=機械中心/持続化=販路開拓中心 と覚えることです。
各補助金が向いている企業タイプ
IT導入補助金
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対象企業:サービス業、小売業、飲食業など幅広い業種
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おすすめ用途:会計ソフトやクラウドシステムの導入、予約管理システム、ECサイト構築
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メリット:業務効率化やDX化に直結する投資が可能
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注意点:登録された「IT導入支援事業者」と連携する必要がある
ものづくり補助金
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対象企業:製造業、建設業、運輸業など設備投資が多い業種
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おすすめ用途:新しい生産設備導入、専用システム開発、加工機械の購入
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メリット:補助額が大きいため、大規模投資に対応できる
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注意点:申請準備に時間がかかり、採択率も年々厳しくなっている
持続化補助金
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対象企業:小規模事業者(従業員5人以下の小売業やサービス業など)
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おすすめ用途:チラシ制作、Web広告、店舗改装、展示会出展
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メリット:比較的申請しやすく、販路開拓に直結
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注意点:上限額が小さいため、大規模投資には不向き
補助金選びで失敗しないためのポイント
1. 「補助率」より「実際に使える経費」で判断する 例えば、補助率が2/3でも対象外の経費が多ければ意味がありません。自社が本当に必要な投資が対象かを必ず確認しましょう。
2. 採択率と審査観点を理解する
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ものづくり補助金は競争が激しく、事業計画の完成度が重要
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持続化補助金は比較的採択率が高いが、不備があると即不採択
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IT導入補助金は要件が細かく、対応できるIT事業者と連携が必須
3. 準備期間を確保する 補助金申請は書類が多く、証憑(見積書・請求書など)も必要です。締切直前に慌てるとミスや不備の原因になります。
まとめ:自社に合った補助金を選ぼう
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デジタル化が目的なら IT導入補助金
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設備投資が目的なら ものづくり補助金
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販路拡大が目的なら 持続化補助金